サジーは濃いオレンジの果実をつける植物です。
サジーは、ユーラシア原産で世界中に自生しています。
紫外線がきつく、水分も少ない高山や砂漠や、寒暖の差が激しい地域にも生育する生命力の強い植物です。
サジーは極寒の真冬が「旬」の果物です。
植物では珍しく「冬を越す」ことができます。
宇航人ジャパンで使用するサジーの自生する高地は、冬場にはマイナス40度にもなります。
他の植物が枯れ果てても、サジーは栄養豊富な果実をたくさん実らせ、野生動物の貴重な栄養となります。
収穫の際には寒さだけではない困難があります。
サジーは荒れた大地を蘇らせることのできる植物です。
サジーは銀色の脱落性の葉と、冬の大半維持される美しい栄養価の高いオレンジの実をつけます。
世界のあちこちでいろんな名前で呼ばれるサジーには古い歴史があります。
古典医学書に紹介されているから、というわけではありません。
地域地域に残る伝説も、いろいろな使い方も、サジーが人々の生活の中で必要とされていた証拠です。
サジーの機能性は人類の健康と美容にだけ有益なわけではありません。
自らが過酷な環境で生き抜くために備わった多くの特殊な生体が
- 砂漠化の防止
- 砂漠の緑化
- 土壌浸食防止
- 汚染還元
などとしても貢献しています。
サジーのおかげで豊かになった大地は徐々に緑が戻り、野生動物のためにも栄養価の高い果実を提供しています。
サジーと地球環境
サジーは私たち人間だけでなく、地球環境にも有用です。
サジーの特性と特殊な能力が、私たちの健康だけでなく地球環境の改善にも役立っています。
現代を生きる私たちにとって有用な栄養素を200種類以上持つサジーは、地球環境改善のためにも一役買っています。
地球温暖化による異常気象により、今や全大陸の25%が砂漠だと言われています。
乾燥地が一旦砂漠化すると、周りの土地をどんどん砂漠に変えていっていまいます。
異常気象などの環境変化から森林伐採などの人為的なものまで。
砂漠化を止めることは私たち人類が生き残るのにとても重要な案件です。
サジーがいずれ、黄砂を止める??
内モンゴルなどの黄砂を巻き上げ北京などで大きな被害をだす黄砂。遠く離れた日本へも100万トンから300万トンも飛んできていると言われています。
砂は都会の上空で化学物質を拾い集め、少し遠くの景色も見えないほど。
呼吸器系の健康被害も増加しています。
当然、原因は砂漠。
サジーが枯れた砂地を緑に戻すことができると、中国政府は国策としてサジーを砂漠に植林しています。
サジーの特性を活かして砂漠化をストップ
サジーの根は土壌を改良する働きがあります
水分や栄養の少ない土地で生きるサジー。
ポプラや松、カエデなど、砂漠の緑化に適した植物はいくつかあります。
サジーは早く、カサカサの大地にぐんぐん根を張ります。
サジーの根は横に横にと伸びていき、がけ崩れや土壌浸食などを防止する「芯」のような役目をします。
さらに驚くことにサジーは空気中から肥料を作り出すのです。
サジーの根の放線菌の特殊な能力
サジーの根には「フランキア」という放線菌の一種が共生しています。フランキア空気中の窒素を取り込み、アンモニア化合体窒素という肥料に変えてしまうのです。つまり、何もないところから栄養を作り出し、さらにそれを土地に還元。だんだん土地が回復してくれば他の植物も生きることができるようになる。
サジーは砂漠を開墾するフロンティアスピリッツに溢れた植物なのです。
サジーの植林
サジーを植林する理由
サジーの植林は「原料と産業」を生む
自生しているサジーをなぜ植林するのか?
その答えはふたつあります。
1:原料の安定供給
2:雇用創出
です。
近年サジーは、様々な研究結果から「私たちの健康・美容に有用だ」ということがわかってきたことで急激にその需要を伸ばしつつあります。
今までの2倍、3倍の需要になれば自生地はどんどん奥地になり、収穫は困難を極めます。
そのため、サジー原料の安定した供給のため、実験的に植林計画が進んでいます。
植林することにより、気候やその他の自然現象による供給危機に巻き込まれることなく、「優良サジー」をお届けすることができます。
さらにはサジーの研究、品種の改良なども容易になる可能性があります。
サジーの植林は「雇用」を生む
植林は国や企業その他のNPO団体などの計画に則り、予算が決められて実行されます。
植林のための労働力は、どの地方に求めることになります。
世界中には雇用が不安定なため、教育機会をなくしてしまう子ども達や生活の苦しい人たちがたくさんいます。私たち企業の役割は一人でも多く雇用できる産業を生み出すことも重要です。
サジーの植林により、枯れ果てた大地に緑が戻り、地元の街に雇用が生まれる。
その結果、優良サジー原料をお客様のもとへ安定して供給できます。
成長が早いサジーの枝は、硬くて薪に最適
極寒の地に暮らす人々に「暖」をもたらすサジー
サジーの産地には砂漠のような乾燥した地域もあれば、極寒の高地もあります。
人々が暖をとるために切り出す薪。
実はその薪も、森林伐採の一端となっているのです。
とはいえ一日中、火の気なしには暮らせないのも事実。
そんな地方でサジーは「薪」として活躍しています。
サジーは成長が早く、伐採してもすぐに回復します。
さらに収穫時には大変邪魔をする、その枝の硬さも薪にするにはちょうど良いのだそう。
健康食品や美容飲料、化粧品などの製品として以外にも、サジーは人々の生活に役立っています。
サジーの収穫方法
宇航人ジャパンの使用するサジーは真冬に収穫されます。
マイナス40度にもなる真冬が旬のサジーの収穫は困難を極めます
サジーは環境の厳しい土地に自生しています。
当然、収穫するには自生地へ立ち入らなければなりません。
サジーの収穫を仕事とするのは多くは農家さんです。
冬場には食物が育たないので、サジーの収穫は閑散期の農家の皆さんの大切な収入源でもあります。
極寒の中、普段人の入らない奥地へ向かいサジーの果実を収穫するのですが、それを妨げるのがサジーの鋭い「トゲ」です。
服の上からでも腕に刺さるような鋭くて硬いトゲが、たわわに実った果実の周りにたくさんあります。
収穫する時は細心の注意が必要となります。
凍ったままのサジーはすぐに倉庫に運ばれます
サジーの果実は指で触るとつぶれてしまうほど柔らかいので、枝ごと切って収穫します。
真冬で凍ったままのサジーは天然の冷蔵庫の中にいるようで、鮮度を保ったまま工場内の倉庫へと運ばれます。
「手摘みサジー」という言葉を時々耳にしますが、高品質の内モンゴルサジーは手で摘むとつぶれます。
交ざり物もなく、栄養価も高いサジー原料にするためには枝ごと切って、工場で枝や葉と果皮、果実そして種子と選別できるような技術力が必要になります。
サジーの分布図
サジーは世界中で自生しています。
サジー属には6種類あり、12亜種存在します。
世界中に分布するサジー。
種が違えばいろいろ特徴が異なります。 背丈が10m以上にもなるものや、50cm程度のもの様々です。
果実も大きさ、色、形、成分も種によって、または生息する環境によって大きく違いが出ます。
宇航人ジャパンの使用するサジーは、標高が高く、年間降雨量の少ない内モンゴル地域のサジーです。
生命力が強く、高い栄養成分を含みます。
サジーの国や地域別呼び名
分類 | グミ科ヒッポファエ属 |
---|---|
学名 | Hippophae rhamnoides |
英語名 | Seabuckthorn(シーバックソーン) |
日本名 | サジー |
ロシア名 | Oblepikha |
フランス名 | Argousier |
フィンランド名 | Tyrni seaberry |
スエーデン名 | Havtorn Finbar |
オランダ名 | Duindoorn |
ポーランド名 | Rokitnik |
ドイツ名 | Sanddorn |
デンマーク名 | Tinved |
中国名 | Shaji |
モンゴル名 | Yashildoo Chatsargana |
チベット名 | Dhar-bu star-bu |
パキスタン名 | Milech |
ヒンドゥ名 | Dhurchuk |
スペイン名 | Espino Armarillo |
ネパール名 | Tora Chichi Tara Chuk |
サジーの歴史
サジーは7000万年前から自生してる植物です。
まだまだ知られていない有効な栄養素が含まれている大きな可能性。
サジーの歴史は古く、民間療法の一つとして長い間人々の生活に寄り添ってきましたが、本格的な研究が行われるようになってまだ数十年。
私たちの健康を支えてくれる栄養素を300種近く含んでいますが、まだまだこれから先発見される栄養素がある可能性も大きいです。
7000万年前から生き続ける植物が、私たち人類の現代病に効果があるというのも面白い話ですね。
サジーとギリシャ神話
サジーと宇宙
サジーとモンゴルの英雄
サジーとチベット医学
サジーとギリシャ神話の伝承
羽のある馬「ペガサス」とサジーの関係
サジーの学術名「Hippophae Rhamnoides」は「輝く馬」という意味です。
馬は昔からチカラ強さと美しさの象徴です。
ギリシャ神話では、普段はきれいな水しか飲まないペガサスの好物であったとあります。
羽の生えた白い馬「ペガサス」の好物と言われる理由は、競走馬や病床の馬などにサジーがとても有効だったことと関係があるのではないでしょうか。
サジージュースは抗ストレス飲料
宇宙開発時代のロシアで宇宙飛行士に愛用されたサジー
ロシアは「サジーの父」と呼ばれるくらいのサジーびいき。1970年代から国中でサジーを研究しているようです。
医薬品としての研究も盛んで、学会にも多く論文が発表されています。
ロシアは世界で始めて「サジーを商品化した国」
ロシアの宇宙飛行士にも、彼らの健康アップとストレスに対する抵抗力を強化のためにジュースが利用され、宇宙の激しい紫外線から皮膚を守るためにサジーオイルのクリームとしても使われているとのことです。
宇宙に最初に行った果実ジュースはサジーだそうです!
馬を生まれ変わらせたサジーの栄養
モンゴルの遊牧民を統一して「モンゴル帝国」をつくったチンギスハーン。
今でも英雄として語り継がれています。
チンギスハーン中国や東ヨーロッパへの遠征の途中、戦いの途中足を痛めた馬たちを、なくなく置き去りにしました。自軍の兵たちを国に返すためには仕方がないことでした。
心ではいつもそのことを気にしていましたが、ある日馬たちと再会することができました。
馬たちはサジーの林で実を食べて冬を越え、美しい毛並みとたくましい体に変わっていたと言われています。サジーの栄養成分が馬たちを「キラキラ輝かせ」たのでしょう。
馬との再会を喜んだチンギスハーン。
生まれ変わった馬たちを見て自分自身もサジーを食べるようになり、遠征の際にも持っていくようにしました。
古典医学書の中のサジー
サジーは1300年前から伝わる「薬草」
四部医典《8世紀約(1300年前)編集著作医聖ユトク・ニンマ・ユンテングンポ》チベット医学の書。四編構成から四部医典と呼ばていましたが、四部医典は一般の人には難解でした。医療や医学は今よりももっと一部の人たちのものだったでしょう。
この四部医典をベースに1688年四部医典タンカ全集という図解入りの書物が作られました。
四部医典タンカは
- チベット医薬学の基礎
- 人体の解剖学的構造
- 生理機能
- 疾病の病因・病理・ 症状
- 疾病の診断方法と治療原則
- 薬草の種類・性味・用法
- 飲食
- 起居
- 衛生保健の知識
- 医療者の道徳と心得
などを系統的に描写しています。
サジーは常用和漢として記載されています。
このようにサジーは古い医学書にも記載されるほど、昔から重宝されていたことがわかります。
タンカに描かれたサジー
タンカはチベットの寺院にある絵のこと。
タンカに描かれるのは、仏像、物語、風景です。 それは文字を解さない人たちに、絵をもって仏教を図解したものです。チベット医学では、この伝統をうまく利用して、難しい内容を、絵で分かりやすく表しています。 医学の理論、人間の生理、診断の方法、薬草などの絵は、描写がとても正確で、 それを見る人を驚かせます。
その古き医典のなかでサジーは薬草として登場しています。
きっと古くからサジーが人々に食されてきて、副作用もなく日々の生活の中で効果や効能を実感したからでしょう。